胃カメラ検査について
正式には「上部消化管内視鏡検査」と言います。口から直径約10mmの検査用スコープを挿入し、スコープの先端に付いているカメラで胃、食道、十二指腸の表面を直接観察し異常がないか調べます。所要時間は5-10分程度です。必要に応じて生検(粘膜組織の一部を採取して検査)を行うことがあります。
当院の胃カメラの特徴
特徴1.すべての内視鏡の検査を経験豊富な医師が行います
医師の立場でいかに患者さんへ最適な医療を提供するかという点で考えると、早期胃がんをきちんと見つけるために、がんを正確に診断する技術が伴っていることが重要であると考えています。
当院では、大学病院やがん専門の高度医療機関でこれまで経験を積んできた院長が胃カメラ検査を行っています。患者さん一人一人の状況に合わせて検査を進めていきますので、ご安心ください。
特徴2.胃カメラ検査を楽に受けるためのコツ
胃カメラ検査がつらいと感じる理由は、主に3つあります。1つ目は喉の奥にスコープが触れることにより嘔吐反射が起こること、2つ目は、喉にスコープがあると口の中の唾液を飲み込みづらいため、気管に入ってしまうとむせてしまうことです。3つ目は、心理的な怖さ、不安、緊張です。緊張していると、肩に力が入り、喉にも力が入ってしまうため、喉とスコープが触れてしまってオエっとなりやすくなります。
胃カメラを少しでも楽に受けていただくコツは、まず、検査前に肩の力を抜くこと、そして、ゆっくりと深呼吸をすることです。呼吸はお鼻で息を吸って、お口で息をふうーっと吐きます。検査中は喉に意識を向けがちですが、喉から意識をそらし、呼吸に意識を集中します。次にスコープが最初に喉の奥を通る時ですが、オエっという咽頭反射が一番起きやすいので、その時は喉をできるだけ動かさず、とにかく力を抜き、ゆっくり呼吸を行います。また、スコープを動かすときのタイミングに合わせてゆっくりふうーっと息を吐き、スコープの動きが止まったら、ゆっくり息を吸ってもらうと、喉の反射は起きづらくなります。
特徴3.細径スコープを使用可能
胃がん内視鏡検診では、経鼻用の細いスコープを用いて経口で挿入しますので、短時間で楽に検査が受けられます。胃カメラを受けるのが初めての方でもご希望があれば、検診用の細いスコープ使用することが可能です。繰り返し検査を受けるたびに検査のコツを覚え、上手に受けられている方は多いです。一方で、定期検査は必要だけれども、以前の胃カメラはとてもつらくて我慢できないという方は、ご希望に応じて鎮静剤の点滴を用いた検査を受けることも可能です。検査中に鎮静剤を注射することで、意識がぼーっとしてウトウトするような状態となり、緊張が和らぐので、喉の反射が起きづらくなります。意識を低下させるといっても、使用する鎮静剤の量は医師からの呼びかけに反応できる程度としておりますので、ご安心ください。検査終了後は、専用のリカバリールームで意識が回復するまで休んでいただきます。なお、検査当日は鎮静剤の影響で眠気やふらつき、集中力の低下などがみられる場合がございますので、車やバイク、自転車など乗り物の運転はお控えください。
特徴4.オリンパスの最新内視鏡システムを導入
当院では内視鏡メーカーとして名高いオリンパス社製の最新内視鏡システム「EVIS X1」を導入しています。高い精度の内視鏡検査を可能とするために様々な最先端の工夫が施されています。
特徴5.NBI拡大内視鏡による正確な診断
当院では、精度の高い内視鏡検査を行うために、NBI拡大内視鏡と呼ばれる検査方法を行っています。NBIとは特殊な青と緑の光のことで、がん表面の異常な血管を認識しやすくすることが可能です。特に早期食道がんや早期胃がん、早期大腸がんの発見に有効であることが分かっています。さらにNBIを併用しながら拡大ズーム機能を持った内視鏡スコープを用いることにより、より詳細に観察し、非常に小さな病変でも発見することも可能となっています。
特徴6.原則予約制で人の密を回避し、待ち時間を短縮
当院では、パソコンやスマートフォンから24時間いつでも予約ができるWEB予約システムを導入しています。自宅や外出先で時間に余裕がある時にご自身の予定を確認しながら都合に合わせて内視鏡検査の事前外来予約を取得することが可能です。受付時間内であればお電話での予約も可能です。混雑時間帯に患者さんが集中してしまうことを避けることで、人の密を回避し、待ち時間を短縮し、スムーズなご案内が可能です。
特徴7.徹底した洗浄と消毒で感染予防に努めています
当院では、日本消化器内視鏡学会が定める「消化器内視鏡の洗浄・消毒標準化にむけたガイドライン」に則り、検査機器の洗浄と消毒を行っており、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、HIVなどの感染防止対策を徹底しております。また、新型コロナウイルス感染症に対しても、日本消化器内視鏡学会の提言に則り、検査機器の洗浄・消毒を行うだけでなく、飛沫が起こりやすい処置や検査方法の見直しを行い、感染防止に努めております。患者さんにはご不便をおかけすることも多々あるかと思いますが、感染防止に向けて引き続きご理解とご協力をお願いします。
胃カメラ検査で
わかること
よく胃カメラ検査と胃のバリウム検査はどちらがいいのかとご質問を頂くことがありますが、私は可能であれば胃カメラ検査の方をお勧めしています。理由は、バリウム検査では胃がんリスク評価が困難であることと、一部の早期がんを発見しづらいからです。
胃カメラ検査で見るポイントとして、まずは胃がんにかかっていないかどうかを調べます。次に将来的に胃がんになりやすいかどうかをくわしく調べます。具体的には萎縮性胃炎から胃がんになりやすいので、萎縮性胃炎の有無を確認します。萎縮性胃炎は胃の中にピロリ菌が感染することによって生じます。従って萎縮性胃炎がない場合はピロリ未感染胃であり、将来的に胃がんにかかる可能性は低くなります。さらに萎縮性胃炎については、ピロリ菌が現在も感染しているか、あるいは過去に感染していたかどうかを調べます。ピロリ菌の自然消失後あるいはピロリ除菌後のことを“ピロリ既往感染“とか“除菌後胃炎“と呼びますが、除菌後胃炎にも胃がんは生じますので、ピロリ除菌後は1年に1回の定期的な胃カメラ検査による早期発見・早期治療が非常に重要です。胃がんの中でも早期胃がんの段階で発見された場合は内視鏡治療で治ります。
胃カメラ検査で見つかる主な疾患
- 逆流性食道炎
- 食道裂孔ヘルニア
- 食道がん
- 胃がん
- 慢性胃炎(萎縮性胃炎)
- ヘリコバクター・ピロリ菌感染症
- 胃潰瘍
- 胃ポリープ
- 胃アニサキス症
- 十二指腸潰瘍
- 十二指腸ポリープ
- 十二指腸がん
など
検査を受ける
タイミング
胃カメラ検査は、早期胃がんの早期発見・早期治療のために非常に重要な検査です。食道がんや胃がんなどの重大な病気は初期段階では自覚症状に乏しいことが多く、気づいた時には病状が進行し命に関わる事態を招く危険性もあります。したがって、40歳を超えたら、一度は胃カメラ検査を受けていただき、ピロリ感染の有無、慢性胃炎(萎縮性胃炎)の有無を確かめたうえで、今後も定期的な胃カメラ検査が必要かどうかを確認しておきましょう。また、自覚症状が現れている場合は特に、胃や食道、十二指腸に何らかの異常が起こっていることもありますので、なるべく早く医師に相談し検査を受けるようにしましょう。
下記に当てはまる場合、胃カメラ検査を早めに受けるようおすすめします
- 日常的に飲酒や喫煙の習慣がある
- 慢性胃炎(萎縮性胃炎)を指摘されている
- ご家族の中に胃がんになった方がいる
- 40歳以上で、これまで一度も胃カメラ検査を受けたことがない
- 黒色便
- 吐き気や胸やけなど、胃の不快感の症状が続いている
胃カメラ検査の流れ
胃カメラ検査を受けるためには、基本的に事前外来予約が必要となります。ただし、症状によっては緊急性が高いと院長が判断し、予約なしで当日の検査が必要となる場合や、近隣の医療機関を緊急受診するようご案内させて頂く場合もございます。詳しくは、お電話などでお気軽に当院までご連絡ください。
1事前外来診察
胃カメラ検査の適応があるかどうかを判断させて頂くため、検査より前の日にちで事前外来診察を行っています。事前外来診察はWEBまたは電話にて予約が可能です。
当院スタッフや医師が問診を行い、当日検査前の絶食や当日は中止しなければならない飲み薬について説明した上で、検査の説明同意書にサインを行い、検査の予約を取得します。また、他の病気の治療で服用中のお薬がある場合、休薬や服薬についてもご説明を行っております。
2検査前日
夕食は午後9時までに済ませてください。食事の内容は特に制限はなく、水分についても特に制限はございません。
3検査当日
朝食は食べずにお越しください。なお、原則として当日朝のお薬は中止して下さい。ただし血圧を下げる薬だけはお水と一緒に必ず服用して下さい。水分については、水・お茶のみ検査の1時間前まで飲んで頂いて構いません。
4ご来院
リラックスできる服装でお越しください。検査の際に鎮静剤を使用する場合、検査終了後も鎮静薬の効果は続きますので、車やバイク、自転車での来院は控えて頂くようお願いします。
5検査
所要時間は約5~10分です。
6検査終了
検査で鎮静剤を使用した場合、リカバリールームのベッドで30~60分程度の間お休み頂きます。
7結果の説明
基本的には検査の当日に結果をご説明しますが、生検を行った場合は2週間後に外来で結果説明を行います。
8ご帰宅後
2~3日の間は喉に違和感が残る場合もありますが、自然に解消されますのでご安心ください。
検査の費用
3割負担(税込) | 2割負担(税込) | 1割負担(税込) | |
---|---|---|---|
胃カメラ検査 | 約5,100円 | 約3,400円 | 約1,700円 |
胃カメラ+病理検査 | 約9,000円 | 約6,000円 | 約3,000円 |
*検査費用とは別で、診察費用や採血費用が発生しますので、ご注意ください。
よくある質問
胃カメラ準備 編
検査前日に食事をとっても問題ないですか?
検査前日は、夕食を午後9時までに済ませ、量もなるべくいつもよりも少なめとしてください。なお、水分については就寝前までに摂取していただいても構いません。
検査前日に薬を飲んでも問題ないですか?
問題ありません。大事なお薬ですので検査前日も服用を継続してください。ただし一部の糖尿病のお薬は検査前日にも休薬が必要なものがありますので、当院スタッフか院長にご相談ください。
検査のキャンセルや日程の変更はどのようにすれば良いですか?
検査の2週間前までにお電話でご連絡をお願いいたします。
胃カメラ当日 編
検査当日に朝食を取っても問題ないですか?
朝食はとらないでください。水分は検査直前まで飲んで頂いて構いません。ただし牛乳やコーヒーなど色の着いた飲み物は控えてください。
検査当日の朝に薬を飲んでも問題ないですか?
原則として当日朝のお薬は中止して下さい。ただし血圧を下げる薬だけはお水と一緒に必ず服用して下さい。
検査の所要時間はどれくらいですか?
検査だけであれば5~10分程度で終了しますが、検査前の準備やお会計なども含めると、1時間程度はかかります。
鼻からスコープを入れて検査できますか?
当院では鼻からスコープを挿入する経鼻検査を実施していません。経鼻検査は経口よりもスコープ径が細いため楽ですので、全国的にも人間ドックや検診では多用されています。しかし、経鼻検査でも、のどを通るときはオエっという喉の反射は生じますし、個人差はありますがつらい感覚はあります。また、経口検査と比べると観察の範囲に死角が生じるため検査の精度が落ちてしまうという欠点もあります。従って、精度を維持しつつ経口検査のつらさをできる限り無くすための解決策として、当院では多くのがん専門医療機関でも実施されている経口+鎮静剤を用いる方法を選択することで、のどの反射を抑え、楽に検査を受けることができるような工夫を行い、対応しています。
寝ている間に検査をしてもらえますか?
鎮静剤を投与することはできますが、投与できるのはあくまで医師の呼びかけに反応できる量までですのでご了承ください。
車やバイクで来院しても良いでしょうか?
鎮静剤を希望される場合は、検査後も一定の時間は鎮静剤の効果が持続するため、眠気やふらつきが多少は残ってしまう場合があります。そのため当日の来院や帰宅は、公共交通機関をご利用されるか、ご家族による車の送り迎えにて対応頂くようお願いします。
当日の服装に指定はありますか?
リラックスして検査を受けることができる服装であれば特に指定はございません。鎮静剤をご希望される方は、手指にセンサーを装着するため、マニキュアはできる限り落としてからお越しください。
胃カメラ検査後 編
検査後にすぐ食事をしても問題ないですか?
咽頭麻酔を行った場合、検査終了後1時間は飲食をとることができません。1時間後に、喉の感覚が元通りに回復し、お水を飲んでもむせなければ飲食は可能です。咽頭麻酔を行っていない場合は、検査終了直後から飲食は可能です。ただし鎮静剤を使用した場合は、リカバリールームで意識が回復したことを確認してから、飲食をとって頂くことが可能になります。
生検をした場合の注意事項はありますか?
検査後の当日は食事を軽めに済ませ、飲酒や入浴は控えてください。翌朝以降は食事を含め普段通りの生活で構いません。抗血栓薬を休薬していた場合は、薬の再開時期について帰宅前にスタッフよりご説明します。
検査結果は終了後すぐに教えてもらえますか?
基本的には検査終了後にお伝えできますが、生検を行った場合は2週間後に外来で結果説明となります。
検査費用はどれくらいかかりますか?
検査の内容によって異なります。
費用はクレジットカードで支払うことはできますか?
当院では自動釣銭機を導入しており、クレジットカード払いにも対応しております。